独立して、気づけば1年2ヶ月になります。理学療法士として10年働き、病院を辞めたあの日から、あっという間だったような、すごく長かったような、不思議な感覚です。
「自由で最高!」って叫びたい日もあれば、「このままでいいのか…」って不安に襲われる日もありました。今回は、そんな1年間を振り返って、**実際どうだったのか?**を素直にまとめてみます。
これから独立や転職を考えている方にとって、少しでも参考になればうれしいです。
独立して良かったこと3つ
①「1人の時間」が想像以上に心地よかった
病院で働いていた頃は、朝から晩まで常に人に囲まれていました。
- 昼間は理学療法士として、患者さん、同僚、スタッフと常に対話
- 夕ご飯は義理の両親の相手
- その後寝るまで子どもの相手
つねに周りに気を配っていたので、「自分の時間が足りない!」と感じていたのも本音でした。 将来について深く考えたくても、考える時間も余裕もない──そんな日々だったと思います。
それが独立してから、1人で作業するようになると、静けさの中で集中できる時間が本当に心地よくて。
もともと1人で本を読んだり、ゲームしたりするのが好きなタイプなので、僕にとっては大きなメリットでした。
②自由度が段違い
時間、仕事内容、働く場所、人間関係──すべてを自分で決められるのは、やっぱり大きな魅力です。
「この仕事、なんか違うな」と思えば断ることもできるし、平日の昼間に散歩に行くこともできる。 子どもが体調悪いときは、気兼ねなく休むこともできる。
病院で働いていた頃なら、スケジュール調整に神経を使い、申し訳なさでいっぱいになっていたと思います。 でも今は、すぐに予定を調整できるし、後ろめたさもありません。
もちろん、そのぶん全部“自己責任”。 決められる代わりに、誰も決めてくれない。 でも僕にとっては、それが合っていたと思います。
③ “ちょっと試す”ができるようになった
これは個人的にすごく大きかった変化です。
正社員と違って、業務委託だと「合わないな」と感じた仕事を辞めるハードルが低い。 もちろん、急に辞めたら迷惑がかかるので、辞める時期や辞め方は気をつけますが、正社員ほどの制約はない。 だからこそ、慎重な僕でも「まず試してみる」ができるようになりました。
実際、1年以上続いているクライアントもあれば、「これは向いてないな…」と2ヶ月で辞めた仕事もあります。
仕事内容もさまざまで、
- Webライター
- 広告運用
- データ管理
- 秘書的な業務
などなど。
いろいろ試していく中で、「これは合う」「これは疲れるな」と判断できるようになってきました。
病院勤務だと、与えられた仕事は“長く続ける”前提。 ローテーションは断れないし、教育係も一度始まれば最後までやりきらないといけない。 転勤も基本的に強制でした。
でも今は違う。 やってみて合わなければ、辞めていい。変更していい。
これは、仕事を通して「自分のことを知る」すごく貴重な機会になりました。
☕️ おまけ:独立して気づいたこと
◎ 「自分で選べる幸せ」は、じんわり強い
誰と働くか、どんな仕事を受けるか、1日の使い方を自分で決められる。
ものすごく劇的な変化はないけれど、納得感がある。
それだけで、心の安定度が全然違うと感じました。
◎ 自分のことがちょっとわかってきた(かも?)
「こういう働き方は合わないな」とか、「意外とこの作業は好きかも」とか。
いろんなことに手を出したからこそ、少しずつ“自分の取扱説明書”が見えてきた気がします。
とはいえ、もともと“いい子ちゃん”タイプで、イヤなことも努力と気合でこなしてきてしまったので、好きなこと・やりたいことが分からないと悩む場面は今でも多いんですけどね…。
独立してしんどかったこと4つ
① 将来の不安がつねにある
これは…まぁ、正直ずっとあります(笑)
収入が不安定。来月の予定も自分次第。働く量も、スキルも、選ばれるかどうかも、全部自分の裁量。
「この先、ずっとこれでいいのかな…」って、月に10回くらいは思います。
会社員時代は、「毎月の安定収入」が当然にありました。 そのありがたみを、今だからこそ強く感じます。
でも今は、“何も保証されていない”場所に自分が立っていることを、日々実感しています。
とはいえ、これは悪い意味ばかりではありません。 だからこそ、「どう備えるか」「どこに力を注ぐか」を真剣に考えるようになりました。
不安と向き合いながらも、少しずつ“自分なりの土台”を築いていく。 今はそんな感覚です。
② プライベートと仕事の境界があいまい
独立すると、いつでも働ける=いつまでも働いちゃうんですよね。
土日とか関係なくなるし、休みの日でもついパソコンを開いてしまう。
子どもと過ごす時間を大切にしたくて独立したのに、子どもと遊んでいるときも頭のなかは“仕事”。
仕事が終わらないときなんかは、「ちょっと待っててね」と言ってYouTubeを見せてしまうことも…。
「休む」と「サボる」の境界もあいまいになって、自己管理力がかなり試された1年でした。
最近は、“あえて何もしない日”をカレンダーに入れて、意識的にリセットする時間を作るようにしています。
フリーランスほど「休みを設計する力」が必要なのかもしれません。
③ 座りっぱなし、けっこうキツい
これは理学療法士だった頃には想像もしていなかったしんどさ。
1日中パソコンに向かって作業していると、腰は重い、目はショボショボ。
昼間に体を動かさないと、夜の寝つきも悪くなる。
病院では毎日歩き回っていたので、意識せずとも身体は動いていました。 でも今は、自分から「動こう」としない限り、本当にまったく動かない。
運動不足がじわじわメンタルにも影響してくる感じもあるので、最近は“運動の時間”も意図的に入れています。
動かないとダメな体だったんだな…と気づきました。 最近は、仕事の合間にウォーキングしたりジョギングしたりしています。
④ 自分の対応次第で“雑用係”にも“専門家”にもなる
これはかなり痛感したことのひとつです。
独立して間もない頃は、「嫌われたくない」「仕事を切られたくない」と思って、頼まれごとはなんでも「大丈夫です、やります」と答えていました。
でもそれって、気づかないうちに“雑用係ポジション”に自分を置いてしまっていたんですよね。
「あれもお願い」「これもついでに」
そんなふうに頼まれることが増えていって、本来やりたかった仕事とはどんどんズレていってしまった。
一方で、「ここまでは対応できます」「それ以上は追加になります」と対応の線引きをはっきり示したときのほうが、むしろ相手の反応は良かったりします。
「これは専門外です」「ここは別料金です」と伝えることで、逆に「この人はしっかりしてるな」と評価されることも多かったです。
フリーランスは、“自分で自分の価値を伝えないと伝わらない”世界だと学びました。
強気になるというより、自分の軸をはっきり持つ。 そうすると、価格交渉もうまくいくし、変に消耗することも減ってきます。
ここは、これからも改善していきたいと思っています。
まとめ:辞めてよかった。でも、迷いはある。
この1年を振り返ると、やっぱり「独立してよかった」と思っています。
でもそれは、それは「不安が消えた」とか「成功した」とか、そういう話じゃありません。
むしろ、不安はずっとあるし、まだまだ手探りです。
ただ、“自分で選んだ道を、自分の足で歩いている”という感覚は、病院勤務の頃にはなかったものです。
これからどうなるか、「分からない」のが本音ですが、怖がり過ぎず、試行錯誤を続けていきたいと思います。
最後に
この記事が、「フリーランスってどうなんだろう?」「独立って、やっぱり怖いよな…」
そんなふうに感じている誰かの背中を、ほんの少しでもそっと押せたなら、とても嬉しいです。
もし読んで何か感じたことがあれば、コメントやスキで教えてもらえると励みになります。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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