月40万目前だったのに、やる気がゼロになった話。

月40万目前 キャリア

フリーランスとして独立して4ヶ月のころ。気づけばサラリーマン時代の月収30万円を超え、月40万円が目の前でした。

仕事は順調、クライアントとの関係も良好。働き方もだいぶ理想に近づいていたと思います。

それでも──なぜか、独立前にあれほど燃えたぎっていた情熱がほぼ消え失せ、まったくやる気が出なくなってしまった。

「なんでだろう?」って、毎日自分に問いかけていました。

今回は、「なんのために働いてるんだっけ?」ってわからなくなっていたあの頃のことを、正直に振り返ってみようと思います。

サラリーマン時代の目標は「月30万超えること」だった

僕は大きく稼ぎたいから独立したわけじゃありません。ただ、もっと自由に生活したかった。

生活水準も高くないし、病院勤務時の年収400万円でも生活には困っていませんでした。でもやっぱり週5日働いて、長時間拘束される日々がしんどくて…。理不尽な上司とも離れたかったんです。

だから、会社員時代の月収である約30万円を週30時間ぐらいで稼げれば、それで成功だと思っていました。そう思っていたし、実際にそれが現実になろうとしていました。

仕事は順調。でも、なぜか気力が湧かない

予想以上に、フリーランス生活は順調にスタートしました。

新規案件の相談ももらえるし、継続してくれるクライアントさんもいる。ちゃんと信頼されてる感覚もあって、ありがたいことに仕事は途切れませんでした。

このままいけば、あと1〜2ヶ月で月40万円も超えられそう。

そう思っていた頃、なぜか毎日しんどかったんです。

働いてる時間は短いのに、朝起きると「今日も仕事か…」ってテンションは下がるし、記事を1本書いたらもうエネルギー切れでソファに倒れ込む日々。

会社員を辞めたくて仕方なかった日々と、一体何が違うんだろう。生活はラクになったはずなのに、なんでこんなに疲れてるんだろう?

仕事がないと不安なくせに、「頼むから次の案件こないで…」って思ってしまう自分がいました。

「なんのために独立したんだっけ?」って、考えれば考えるほどわからなくなっていました。

すべて“お金のため”になっていた

  • クライアントに喜んでもらえるのはうれしい
  • ライティングも前より上達してる実感はある
  • 理学療法士としての経験を活かせてる場面もある

だから、全部がイヤってわけではなかったんです。でも、ふとしたときに「これ、自分じゃなくてもよくない?」って思ってしまう瞬間が増えていきました。

そして、書いている時間がものすごく苦痛でした。

「この原稿、本当に役に立ってるのかな」
「そもそも自分、これ書きたいのかな?」

そんな疑問が浮かんでくると、書く手も止まるし、やる気もどんどん削れていって。

気づいたんです。僕はただ“お金になるから”って理由で仕事をしてたんだなって。

お金にならなかったら、たぶん一瞬でやめてたと思います。

やりがいを感じないまま1日が終わる、あの虚無感

毎月収入が上がっていくことに、たしかに達成感はありました。でも、喜びより消耗感のほうが強かった。

「稼げた額がまだ30万だからかな?月100万円とか稼げたら違う景色も見えるのかな?」
「楽しくないのはへたくそだからなのかな?」

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出典:ハイキュー

そんなふうにも思ったけれど──

でも、月5万→30万になったときも、結局あんまり楽しくなかったんですよね。
ってことは、30→100万になったところで、多分同じことなんだろうなって悟ってしまいました。

苦痛だと感じながら、生活に必要ないほど大金を稼いでどうするんだろう。

そこに“意味”や“自分らしさ”を見出せなくなっていました。朝から晩まで、ただこなすだけ。気づけば、時間を切り売りする日々に戻っていました。

このまま“やりたくない仕事”を続けるのか?

もちろん、稼げれば貯金も増えるし、生活も安定する。
FIRE(経済的自立)とかも頭によぎったけど、それって何年かかるんだろう?

イヤイヤ働きながら人生を浪費するのが耐えられなくて独立したのに、また同じことを繰り返そうとしている。

なんかもう、違和感しかなかったんです。

このままじゃダメだと思って、ようやく立ち止まることにしました。

ライターから広告運用にシフトチェンジしてみた

だから、一旦止めてみました。
既存のクライアントさんだけ継続して、新規の案件は断るようにしました。そして空いた時間で、別の仕事をするようにしました。

まず、もともと一社だけ携わっていた広告運用をメインにしてみようと考えました。クリエイティブも作れるし、数値の分析は”書く”より性に合っていると思ったから。

教材も購入して、より深く学び、実際に案件もいくつか担当させてもらいました。

でも、足を踏み込んだ結果、この業界の闇というか、生理的に無理だと感じることが多すぎたんです。

  • クライアントのためにならない予算のぶん回し
  • 下請け任せで中抜きが当たり前の業界構造
  • 誇大コピーを当たり前に強要される
  • 商品サービスが詐欺っぽい案件も多い

もちろん誠実なサービス・運用をしている方もいると理解しています。でも、この業界に骨を埋めたくない、自分は胸を張って生きていけないと思ってしまったんです。

そのため、この仕事は完全に手を引くことにしました。

次は簿記に取り組んでみた

もともとお金に強い関心があり、確定申告の作業も苦じゃなかったので簿記をちゃんと勉強してみることにした。

「もしかして経理とかの事務が向いてるのでは?」と思ったので。

簿記3級は知っている内容も多く、勉強ついでに2級まで取得。勉強している感触としては楽しく、”悪くないな”という感覚がありました。

でも、「30代未経験」は経理業界ではあまり求められていませんでした。

地元の会計事務所の正社員なら「未経験OK」もありましたが、年収300万円などがほとんどで現実的ではなかった。

「いやぁ…今さらそれはちょっと…」と思ってしまいました。

オンラインの業務委託案件も1つだけ契約できましたが、結局3ヶ月経っても案件は振られずじまい。フェードアウトです。

勢いあまって会計士を目指しかけた話

簿記の勉強がそこそこ楽しかった流れで、「もういっそ、公認会計士とか目指してみる?」みたいな気持ちになった時期もありました。

もともと勉強は得意だったし、「本気を出せばいけるかも?」という謎の自信も湧いてました。

資料請求までして、講座の申し込みボタンを押すところまでいきました。ていうか押しました。

でも冷静に、資格取ったあとも実務期間が必要だったり、ハードルが高すぎてすぐにクーリングオフした(資格スクールさん、本当にすみません…)

今振り返ると、「年収1000万」みたいな数字に、また踊らされてたなぁと思います。

占星術を受けてみたら、真逆のことを言われた

頭の中で考えすぎて、もう堂々巡りだったので、事業主の知人に相談したんです。そしたら「占星術でも受けてみたら?」と勧められました。

これまで占星術にまったく興味がなかったけれど、現状に行き詰まりを感じていたので、試しに受けてみることに。

すると、出てくる言葉が自分のイメージと真逆でびっくり。

  • 自分は一つを極めるタイプだと思ってた → 実は飽きっぽい
  • マルチタスク苦手だと思ってた → むしろ得意
  • 教えるの苦手だと思ってた → 実は講師向き。やった方が良い

これだけ見ると「占星術が的外れなのでは?」と思われてしまうかも知れませんが、セッション中の「こんな場面ないですか?」って問いかけとか、細かい思考のクセを指摘されたときに「あ、それめっちゃある…」ってなって。

自分でも驚くくらい納得してる自分がいました。なんか、不思議な感覚でしたね。

「一点突破しなきゃ」という思い込みからの解放

これまでなぜかずっと、「専門性を高めなきゃ」と思い込んでいました。

  • ライターならライティング一本に
  • 広告運用をやるからには業界トップを
  • 理学療法士は辞めたんだから、もう戻らない

そんなふうに、「やるからにはとことんやらなきゃ」と信じ込んでいたんです。でも、それが逆に「これじゃないかも」と思った時に、他の道を考える余白をなくしていたんですよね。

占星術のセッションで「2〜3個を並行してやるほうが合ってますよ」「結果じゃなくて、楽しさで選んだほうがうまくいきます」って言われて、かなり視界がクリアになりました。

そこから少しずつ、「できること」じゃなくて「やってみたいかも」で物事を選べるようになった気がします。

たとえば最近始めた放課後等デイサービスでの非常勤の仕事も、「なんかちょっと楽しそうだったから」という理由でやってみたものです。

でも、ライターとか広告だけやってた頃より、今のほうがなんだかんだ充実してるなって感じる日が増えてきました。

まとめ:まだ模索中。でも、それでいいかなと思っています

このまま、「稼げるけど納得できない」働き方を続けていくのか。それとも、何かを手放してでも、「やってみたい」「ちょっと面白そう」と思える方向に動いていくのか。

まだはっきりした答えは出ていません。

というか、そもそも「やりたいこと」ってなんなんだろうって思う瞬間のほうが多いです。

僕自身、真面目な“いい子ちゃん”気質が強くて、「やりたい」より「やるべき」で動いてきたところがあるから、なかなか自分の欲求を拾うのが下手なんですよね。

だから次は、コーチングとか受けてみようと思っています。

でもひとつだけわかったのは、「これだ!」と思って飛び込んだ道でも、やってみないとわからないってこと。そして、やってみたからこそ見えてくる“次の問い”があるってことです。

ライターから距離を置いて、広告運用をして、簿記を学んで、会計士を目指しかけて、占星術を受けて、今はコーチングに興味を持っている。

昔の自分なら絶対やらなかったことに、今は自然と手を伸ばせるようになってきました。

今は複業スタイルで、いろんな仕事をゆるくやっています。「で、あなた何の人なの?」って言われたらちょっと困るんですけど、前みたいに「1本で生きなきゃ!」って気負ってた頃よりも、ずっと心がラクです。

少しずつ、自分の歩幅で、向かいたい方向に進めているんじゃないかなと思っています。

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